震災の夏に思うこと
8月 31st, 2011 by hpone_support2A1
今年の夏を暑い暑いと言う人は、去年の夏エアコンを目一杯効かせ、一旦表に出ると唯ひたすら茹だるような日々の続いていたことを忘れてはいませんか。それ迄殆ど気にしていなかった節電に対する義務感と計画停電の恐怖心から、エアコンの設定温度も28度と高目にしてあるので、確かに暑いと感じる事が無いと言えば嘘になりますが、単純に8月の平均気温を比べても、恐らく有意に今夏のそれは低く、比較的凌ぎ易いということが証明できると思います。分けても、今年特筆す可きは、真夏というには朝夕の比較的過ごし易かったことと,朝未き寒いとすら思える日が何日もあったことです。どうであるにせよ、散歩の大好きなもんちゃんは何も言いませんし、早朝或いは夜更けの散歩の後の体温上昇もさほど辛くも無いと思っているに相違ありません。夜は足を洗うだけで済ますことが多いのですが、朝は、帰宅する頃は気温も可なり上昇するので、体温を下げる目的もあって必ず全身を隈無く洗い、未だに抜け落ちる毛の多さに驚かされます。apotosisに依る年に一度の毛の生え変わりは一体いつまで続くのでしょう。そして、やや唐突な話をすれば、そろそろ出回る年に一度の新米は綺麗な透明度の高い良質なものであろうと期待して良いのではないでしょうか。
一昨年の夏、もんちゃんは牛久シャトーの噴水の池に飛び込んで飛沫を上げ、しばし夏を満喫した筈ですが、院長に厳しく注意されたこともあり、昨年は猛暑にも拘らず散歩の道すがら横目で見つつ隙を窺うもんちゃんの手綱をぐっと引いて制止したものです。正直に言えば、一、二度もんちゃんはごく短い時間、池の水に足を浸けたようにも思います。しかし、今夏は、牛久シャトーで一般公開されていた国指定重要文化財のワイン倉庫(二階建て、15m×70m×15m程度と推定される)の正面の扉は震災後半年近く経った今でも閉鎖された侭で、その前に設えられた噴水の池には水がありませんでした。創建以来百数十年になる赤レンガ造りの外観は震災の前後で全く変わった所は発見できませんでしたが、内部の陳列物や棚などの内部構造物にも多大の被害のあったことを予想させます。一日も早く再公開されることを望んで止みません。そして、あの小さな池が水で満たされる日の早からんことを思い、院長の制止の言葉を遮って飛び散る噴水の下、もんちゃんが思う存分水浴びする姿を想像してしまうのであります。言うまでも無く、そんなことは決してさせない積りですが・・・。
4月に予定されていた日本産婦人科学会が8月29,30,31日、4ヶ月遅れて大阪で行われるのを機に、久しぶりに出席して来ました。既に研究から離れて10年以上にもなり、唯会場の椅子に座って発表演題を聴いていました。分子生物学分野の進歩には目を見張る物がありますが、方法論の受売りが目立って、きちんとした作業仮説を立てたオリジナリティーの高い研究発表は相変わらず少ないと言う印象でした。研修医2年目の吾が息子は周囲の反対を他所に産婦人科に進むと言っています。最終的には何科に行くかは分かりませんが、間も無くその意志表示を大学にしなければならず、もしそうであるならば、是非研究の道に進んで貰いたいし、出来れば私の遣り残した仕事(妊娠中毒症と好中球による血管内皮障害と血管内皮のfragility、分娩発来機序とテロメア)も完成させて貰えればと期待します。尚、妊娠中毒症を妊娠高血圧症候群と言い換えたことに依って、寧ろ真の病態論から遠ざかってしまったような気がします。(Mann Tomomatsu)