12月も29日ともなれば気の早い人は餅つきをしているかも知れない。おせち料理の準備に忙しいのは主婦ばかりではない。仕事が休みに入った男たちもかまぼこだの黒豆だのと不承不承買出しにつき合わされているに違いない。年末年始を国内にしろ海外にしろ自宅以外で過ごす人も少なくないだろう。そういう人たちはもう当地にはいない。受験生は間近に迫ったセンター試験の準備に余念が無く風邪も惹いていられない。そんな訳で年の瀬,外来受診の患者の数が少ないのである。
昨日ははなみずきクリニックの忘年会だったので、したたかに酔って帰りの車の中の記憶がまるでない。4時頃喉の渇きで目覚めるとズボンと上着を着たままの格好でスタッフルームのべッドに横になっていた。ふらつく足取りで台所に行くと、待っていたと言わんばかりに尻尾を振っているもんちゃんとばったり。彼をベッドの脇に連れて来ると、改めて私は着替えをして床にもぐり込んだ。6時頃再び目覚めたのはいつもそうであるようにもんちゃんの顔面への「ぺろり」である。彼は起きるまでそれを止めようとしない。さすがに二日酔いの眩暈感と頭痛で直には離床出來ずにいた。しかし、根負けした私は意を決してベッドから跳ね起き散歩に出掛けた。もんちゃんひとりに留守番をさせた後ろめたさからいつもより余計に時間を掛けた。体はだるいし頭は痛いが、殆ど無風で寒さを感じない。昨日の朝もそうだったが、冬とは名ばかりでやけに凌ぎ易いのも喜んでばかりはいられない。手袋なしでも平気なのは兎に角まずい。 ( Mann Tomomatsu )